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かんとこうブログ

2025.06.02

日本の年金制度は48か国中36番目・・2024年グローバル年金指数

テレビのニュースでグローバル年金指数というものがあることを知りました。そしてこのランキングでは日本の順位が相当低いということも認識しました。はたしてどんなランキングなのでしょうか?今日はこのグローバル年金指数についてご紹介します。

このグローバル年金指数は、以下のように説明されています。

https://www.mercer.com/ja-jp/about/newsroom/global-pension-index/

この年金指数を発表しているマーサーCFA協会というのは退職金、年金に関する運用やサービスなどを提供している組織であり、このランキングもそうしたビジネスの一部として行われているようです。

世界の人口の65%がカバーされているということですので国の数は48ですが、グローバルと名乗ってもよいでしょう。この指数を決定するのは、”「充実度(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」に大別される50以上の項目”とされています。年金制度について、いろいろな角度から評価しているということになります。各国の総合指数とそれぞれサブ指数の一覧表を下に示します。

日本の順位は全48か国中36番目で6つあるクラスの中で下から二つ目のCランクでした。ニュースでこうした低い位置にランクされているのは3つのサブ指数のうち持続性のスコアが低かったからと報じていましたが、実はこれは間違いと思われます。以下この内容を順番に説明していきたいと思います。まず3つのサブ指数の内容からです。

最初の「充実度」(レポートでは「十分性」)は給付水準が生活に十分かどうかという観点から、「持続性」は年金制度を持続できるのかという観点から、「健全性」は制度が適切に運営されているかという観点から、それぞれさまざまな視点で評価されています。

総合指数のグラフからご覧ください。日本は48か国中36番目です。

続いて3つのサブ指数のグラフを順番にご覧ください。「充実度」は総合指数よりも少し上の34番目でした。

ニュースではランクを下げた元凶のように言われましたがスコアそのものは、47.1であり確かに3つのサブ指数のうちで一番低いのですが、順位は3つのサブ指数の中では最も高い30位でした。

実は順位が最も低かったのは「健全性」でした。48か国中43番目、後ろはインド、タイ、アメリカ、アルゼンチン、フィリピンしかいません。この「健全性」については、法規制、ガバナンス体制、保護、受益者とのコミュニケーション等と書かれており、年金制度がオープンで公正に運営されているかどうかの評価となっています。日本の指数は62.1と日本の3つのサブ指数の中では、最も高いのですが順位は最低となっています。

国別のページがあり、日本については以下のコメントがありました。ありがたい反面余計なお世話という気もします。

詳しい中身がわかりませんので、冒頭ご紹介したサイトから、さらに「詳細レポート」をダウンロードして調べてみました。英文で108ページもあり、かつ日本語変換表示機能が使えないので苦労しましたが、充実性と健全性についてサブ指数を構成する具体的な細目と配点だけ調べてみました。

配点はわかりましたが、こうした細かな設問に対する日本の点数がわかりませんので、あまり参考にはならないかもしれませんが、とりあえずどんな項目で構成されているのかはわかりました。私の印象として充実度の方はそれなりに頷ける設問構成ですが、健全性の方は私的年金に関する項目が非常に多いと感じました。日本ではさほど私的年金は重要な位置を占めていないという認識なのですが、世界では私的年金制度が非常に重要な位置をしめているのかもしれません。 

ランキングの中身が多少なりともわかると、このランキング順位い一喜一憂しなくてもよいような気がします。日本においては公的年金の占める割合が高く(と思っています)、今国会で可決された年金改革法案(特に底上げ部分)の中身をしっかりと理解する必要があるのではないかと思います。

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