かんとこうブログ
2025.07.03
久しぶりの消費動向調査結果とおまけの耐久消費財調査
コロナ禍の折には毎月のようにご紹介していた内閣府の消費動向調査ですが、このところすっかりご無沙汰していました。参議院議員選挙を前に消費者が今どのように感じているかを知りたくてこの調査結果を覗いてみました。今日は5月度調査結果と3月調査結果時に発表された耐久諸費財についての調査結果をご紹介したいと思います。
まずは、5月度の消費動向調査結果(下記URL)からです。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/gaiyou.pdf
この消費動向調査は毎月実施されており、5月の結果は全国6083世帯の5月15日現在の見方を表わしており、「良くなる」を100、「やや良くなる」を75、「どちらでもない」を50、「やや悪くなる」を25、「悪くなる」を0として平均値を求めたもので今回の消費者態度指数は32.8でした。
この消費者態度指数のこれまでの調査結果をみてもらうとわかるように、常に「どちらでもない」の50より下の数値になっており、安倍政権時代でも40~45の範囲に留まっていました。とは言え、32.6という数字は東日本大震災直後の落ち込みよりも低い数値であり、消費者が先行きについておおいに不安を感じていると言ってもよい数字だと思います。
消費者態度指数を構成する5つの指数も先ほどの消費者態度指数に連動して動いており、特に耐久消費財の買い時判断数値が低いことから、最大の不安要因が物価高であることを示唆しています。(ちなみにコロナ禍では「雇用環境の悪化」が最大の不安要因でした)
また、消費者が予想する1年後の物価は令和4年以降ほぼ100%が上昇すると回答しています。消費者の不安は物価高にあるということの証左です。(下図)
さて、話を耐久消費財に移します。毎年3月には耐久消費財に関する統計調査結果が発表されます(下記URL)。以前にもご紹介したことがありますが、なかなか興味深いので今年の分もご紹介します。100世帯あたりの耐久消費財の保有状況は下表のようになっています。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202503.pdf
左が品目別で、右は携帯電話、乗用車、カラーテレビ、衣類乾燥機の内訳です。
2025年3月現在で、一世帯に2台以上あるものは、エアコン、携帯電話、薄型カラーテレビの3品目、一台以上あるのが、パソコン、乗用車、温水洗浄便座、8割以上の世帯にあるのが、洗髪洗面化粧台、ファンヒーター、光ディスクプレイヤー・レコーダーでした。がしかし、これらの中で前年よりも増加しているのは温水洗浄便座と洗髪洗面化粧台だけであとは減少しており、特に光ディスクプレイヤー・レコーダーは完全に急降下を続けています。
また、パソコンもスマートフォンも減少ということも驚きました。パソコンがスマートフォンに代わられることは予想の範囲内ですが、スマートフォンもわずかですが減少していました。
右の表では、先ほど述べたスマートフォンの減少が驚きでしたが、乗用車も減少していました。これも若者の車離れが報じられていましたので予想の範囲でしたが、中古車に比べて新車の減り方が大きいことは少し驚きました。
今年から新たに調査項目に加わったのが3品目あります。電動アシスト自転車、エコカー(次世代自動車)、スマートテレビです。いずれもすでに社会の中で認知され普及しているものだと思います。
最後は、耐久消費財の平均使用年数と買い替えの理由の一覧表です。自分の家の家電買い替えの参考になりそうです。
個人的に面白いと感じたのが、すべての家電製品の買い替えの理由として最も多かったのが「故障」であったことです。耐用年数はそれなりに長いように感じますが、毎年のSDGsの評価で日本は、家電等の使用期間が短すぎると指摘されています。故障しても修理すればまだ使えるものであっても、10年以上使ったものならば買い替える・・これは日本人では当たり前のことなのでしょうが、果たして外国でもそうなのか?は考えてみる必要があるかもしれません。製品をつくる方も買う方も、両方の問題として提起されるべきことかと思いました。