かんとこうブログ
2025.08.13
2026年3月期第1四半期決算発表・・前年比マイナス増加
先週上場塗料製造会社から2026年3月期第1四半期の決算が発表になりました。正直なところ、予想外に前年比マイナスの会社が多いと感じた発表内容でした。今日はこの件をご紹介します。
まずは各社の発表内容一覧をご覧ください。
売上、営業利益、経常利益、純利益の各項目で前年同期比を下回る会社が続出しています。セグメント情報を見ても日本だけでなく、海外も必ずしも好況というわけではなさそうです。
売上の変動に比して、営業利益、経常利益などの変動が大きく、全体に収益性が低下していると考えられます。下右図は、昨年と今年の第1四半期どうしの営業利益率の比較ですが、思ったほど大きな差はありませんでした。営業利益率が減少した会社は関西ペイント、エスケー化研、大日本塗料、菊水化学工業、神東塗料、アサヒペン、営業利益率が増加した会社は、中国塗料、藤倉化成、アトミクス、イサム塗料でした。営業利益率を改善した会社は、いずれも営業利益の前年比がプラスになっています。
これまで比較的順調に来ていた塗料製造会社の決算ですが、前年同期比のマトリックスに当てはめてみると、昨年の同時期、および昨年通期と比較してもポジションの良くない会社が増えてきています。
因みに2026年3月期第1四半期(4月~6月)の需要分野別市場動向を業況観測アンケートから振り返ってみました。
数量はともかく、金額は総じていえば前年並みです。また需要分野別の前年比(金額)も建築外装を除けば前年並み以上の金額であったように思えます。となると建築分野の売上減少による営業利益の減少というのが要因の一つには考えられますが、それ以外の要因、原材料価格、諸経費高騰なども要因として考えられるのかもしれません。