かんとこうブログ
2025.10.16
経産省確報 2025年8月度調査結果
昨日、経産省から8月度生産動態統計調査(確報)の結果が発表されました。8月の出荷数量と出荷金額は、少しこれまでと様相が異なるようにも思いました。これまで2023年度ころから、出荷数量はここ数年間の最低であるのに対し、出荷金額はここ数年間の最高という月が続いていました。これは原材料や諸物価高騰によりやむなく塗料も値上げせざるをない状況が続いていることを意味していたわけですが、8月の出荷数量は、依然としてここ6年間の最低レベルであるのに対し、出荷金額が落ち込み、2020年、2021年の8月は辛うじて上回ったものの、2022年~2024の8月の金額を下回ったのです。8月はお盆休みという特殊要因がありますので、9月以降の動向を見る必要がありますが、私としては大変気がかりな現象です。
主要品目の単価動向をご紹介します。個々の塗料を見ていくと、特に注目すべき動向などは見えません。
なかなか価格は下がるようで下がりません。8月度はエポキシ樹脂の単価がアップしましたが、少し長い時間尺でみれば、振幅の範囲内とも見えます。
これらの単価も上昇基調継続です。
溶剤系全体では2021年1月に比べ1.2倍超え、水系全体では1.3倍弱、シンナーでは1.6倍超えとなりました。同じ経産省確報を使い、毎月、塗料原材料の単価動向もお伝えしていますが、こちらの22品目の単純平均では1.5倍前後となっています。
参考指標として、原油、ナフサ、石油製品の単価指数を示します。
先月と比べて大きな変化はありません。ナフサについては、2022年以降では、最も低い価格水準にあります。
2021年1月を100とした単価指数の上昇幅と単価そのものの上昇幅(2025年8月現在)を示します。
指数値上昇幅では、シンナー>エポキシ樹脂塗料>アミノアルキド樹脂塗料>エマルション塗料>水系塗料>その他塗料の順となりました。エポキシ樹脂塗料がアミノアルキド樹脂塗料を抜きました。単価の上昇幅では、アミノアルキド樹脂塗料>その他塗料>ウレタン樹脂塗料>溶剤系塗料全体>アクリル樹脂塗料(常乾)>エポキシ樹脂塗料の順となりました。