かんとこうブログ
2026.01.08
クマの出没/人身事故は今どんな状況か?
クマはその後どうなったのか?冬眠しないクマはどのくらい増えているのか?いろいろ気になるのですが、この原稿を書いている時点(1月6日午前10時)で、環境省のサイトには年末以降情報があがっていません。そこでクマの被害が最も深刻な秋田県と岩手県の県庁から発表されている情報から現地の状況を推測したいと思います。
秋田県には「クマダス」というサイト(下記接続先)があり、毎日出没情報が更新されていますので、最新の情報がわかります。一方岩手県の方は人身被害情報はその都度更新されているようですが、出没情報は最新値が11月でしたので、その範囲でのご紹介になります。
ツキノワグマ等情報マップシステム【クマダス】 - トップページ
この「クマダス」は、本来野生動物目撃情報なので、ツキノワグマ以外にキツネや二ホンカモシカなども含まれていますが、ほぼほぼ出没状況の報告はクマに限られていますので、そのままの数字をグラフ化してみました。左が普通目盛り、右が対数目盛です。
出没情報数のピークは10月であり、11月12月と激減しています。10月には6000件近くあった目撃情報が12月には85件まで減少しています。対数目盛でみると、比較的出没の多かった2023年と比べほぼ同じような推移を辿っているのがわかります。出没状況から言えば、ピークの10月と12月の比率は同じ程度と思われますので、新しいタイプの冬眠しないクマが激増したとは考えられません。

参考までに岩手県のデータも載せておきます。こちらも10月をピークに11月は半減しており、12月はさらに激減しているものと推定されます。

出没情報の減少に伴い、人身事故件数も同様に激減していました。12月の人身事故は秋田県、岩手県とも1件ずつであり、大幅に減少しています。しかし事故がなくなったわけではなく、秋田県の事故は12月24日秋田市内で起きており、まだまだ警戒を緩めるわけにはいかない状況に変わりはないようです。下の表とグラフに2025年5月以降の秋田県、岩手県の人身事故の状況を示します。

この人身事故の被害者数と出没情報数の関係について計算してみました。被害者数の出没目撃数に対する割合を計算してみたということです。結果を下表、下図に示します。

秋田県、岩手県とも似たようなカーブになりました。人身事故被害者数/目撃数の割合は9月が最も高く1%弱に達しています。目撃情報が比較的少ない時期はこの割合も下がるように見えます。ただ年間の通してクマの食料事情が一定なわけでもありませんので、単純な計算でものを言っていいのかという議論はあると思いますが、計算上はこうなるということでご理解ください。
人を恐れない、平気で人間の居住地を徘徊する、穴ではなく床下で冬眠する、そういった新世代クマが大挙して出現するのではないかと言う懸念がありましたが、目撃情報などから見て、最悪の事態にはなっていないと思われます。しかしながら、12月に入り人身事故も起きており、以前警戒を続けながらの生活を余儀なくされているのは変わりません。新年を機に抜本的な対策が検討されることを期待したいと思います。
書き終えたところで、環境省からクマの出没情報、捕獲情報2025年11月分が発表されました。この内容は明日ご紹介します。