かんとこうブログ
2025.02.05
世界TOP3の2024年度決算内容
昨日に続き世界のTOP3の2024年度決算内容のご紹介です。売上金額の多い順にご紹介します。最初はShewin Williamsです。(数値は以下からの引用です)
全社としてみると、売上金額、EBITDA額とその%、税引き前利益額とその%、のすべてで前年を上回り、売上金額は過去最高の231億$となりました。1$=155円として計算すると3兆5800億円となります。決算報告の説明の要旨として下記の説明がありました。良いことだらけです。
決算書を眺めていたら、四半期毎の純利益とEBITDAの表がありました。ここにShewin Williamsの特徴がよく現れていると思いましたのでご紹介します。
何が面白いかというと、第2四半期と第3四半期に比べると第1四半期と第4四半期の割合がとても小さいのです。冬は塗料が売れないというのは北半球であれば世界中同じなのだと思いました。純利益の63%、EBITDAの60.5%を第2と第3四半期で稼いでいます。これは同社の中で如何に建築塗料の割合が大きいかを示していると思います。
続いてPPGです。(数値は下記からの引用です。)
4Q 2024 PPG Earnings Presentation
PPGの決算では、増減欄に赤字が目立ちます。特に工業用部門の前年比マイナスが大きいようです。この理由として、特定の顧客における指標連動価格が設定されているため、かなりの減少を余儀なくされたと書いてあります。おそらくナフサ連動制のことではないかと思われます。
実はPPG、この第4四半期からセグメント(事業部門)を再編しました。これまでPerformanece Coatings(汎用品)とIndustrial Coatings(工業用品)の二部門でしたが、Performanece Coatingsから建築塗料部分を分離し、Global Architectural Coatingsを作りました。社内のEBITDA比率は、Global Architectural Coatings:Performanece Coatings:Industrial Coatings=25:40:35となります。こうした部門再編と売却などにより、事業のポートフォリオが適正化されたと説明しています。各セグメントのEBITDAはここ3年間増加を辿っており、目指すSherwin Williamsに肉薄しているとしています。これらの内容を表す図を下に示します。
最後にAkzoNobelの決算をご紹介します。(単位は百万€で、数値は下記からの引用です)
AkzoNobelの決算も増減欄をみると赤字の部分が見られます。建築用塗料のPaint部門が低調であり、中でも中国市場の二桁減収が大きかったようです。AkzoNobelの決算の要約としては下図がありますが、あまり大したことは書いていません。
実は個人的にはこのAkzoNobelの決算に関して言えば、年間の売上金額が最たる関心の的だったのですが、2024年は107億€で着地しました。1€=159円で日本円に換算すると1兆7000億円ほどになります。残念ながら、このままだと日本ペイントが2月14日に発表する数字が届かないのではないかと思いますが、一方で、来年の日本ペイントであれば届きそうな数字にも見えます。ともあれ、2月14日の日本ペイントホールディングスの決算発表には注目しています。