かんとこうブログ
2026.11.02
生産動態統計調査および石油統計速報による塗料及び塗料原料供給状況
8月度の速報によるナフサ~塗料原料~主要塗料の生産数量についてご紹介します。
ナフサについては、概況を先週金曜日にご紹介していますが、2025年以降毎月の生産供給販売状況は下表にようになります。

ナフサの販売量と供給量、および供給量の内訳は下図のように推移しています。

赤く色づけした部分が今年の3月以降にあたり、供給・販売とも落ち込み、その後緩やかに回復してきています。供給の内訳は国内における原油からの生産と輸入ですが、国内生産はほぼ一定であるのに対し、輸入が落ち込みその後回復してきています。
これを前年同月比の推移でみると下図のようになります。

ナフサの国内販売量(上図中央のグラフ青線)は明らかに3月4月に低下し、その後回復しています。これをうけて基礎的な石化製品も落ち込みから回復を見せています。

上表は、月ごとのこうした化学物質の生産、出荷、在庫数量の前年同月比をまとめたものですが、3月に多かった赤字の製品(前年同月比80%未満)が減り、次第に青地(前年同月比100%以上)が増えてきたのがわかります。
代表的な基礎化学品について、生産、販売、在庫の前年同月比の推移を示します。

塗料にとっては非常に重要なトルエン、キシレンはまだ回復が完全にはできていないようですが、一応供給不安は解消されており、価格を除き特に問題化しているわけではありません。
塗料についても実は速報で生産、出荷、在庫の数量が公表されています。主要塗料についてこれらの前年同月比の推移を下表に示します。

この表と基礎化学品の表を見比べていただきたいのですが、何とも対照的です。基礎化学品は3月4月の生産が落ち込み時間を追って回復していますが、塗料では、3月4月に前年比100%以上の生産、出荷をしています。そして在庫は100%を下回ったものがほとんどです。その後も生産は前年同月以上を続け次第に出荷が減り、在庫が増えようやく平準的な状態に戻ってきました。
この推移の意味するところは、3月4月の危機的状態の中で、塗料製造者は基礎化学品の供給が落ち込む中で、懸命に材料を確保し生産し、不足分は在庫を切り崩してまで出荷したということです。
主要塗料品目の生産、出荷、在庫の数量の推移を下図に示します。これらもさきほど説明した塗料業界の対応を裏付けていると思われます。

ここへ来て、生産数量、出荷数量が落ちてきて在庫が増えています。3月4月の異常ともいえる注文が過剰であり、その調整が今市場でなされていると理解しています。